雑話
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私のように幼少から松葉ガニになれ親しんだ者が漁師になり初めに感じた事は自分たちが獲った松葉ガニが浜で一万円二万円という値段でセリにかけられている事に対しての驚きだった。
今まで家庭の食卓に並ぶことも多かった松葉ガニに実はこれほどの価値があったのかと言う驚き。その驚きは松葉ガニに対しての誇りとなり漁師としてのやりがい、充実感につながるものだった。
がしかしほどなくして僕の考えは一転する。
松葉ガニの本当の価値、末端の消費者に届く価格を知ってしまったのだ。
自分が高いと思った浜相場は実はただのスタートラインでしかなくそこからお客様の食卓に並ぶまでにはさらに高くなってしまう。
考えてみれば当たり前のようなことだが気がついたときの私はかなりショックを受けた。
色々考えた挙句ほどなくして今のようなダイレクト販売を開始したわけだが実際にお客様とのつながりをもつようになり思いもよらぬ新しい価値を見つけることができた。
価格、鮮度ならどこにも負けないと始めたネット販売だったが客様の中に漁師から松葉ガニを買うと言う行為自体に価値を見出してくれる方がいたのです。
確かに生産者、原産国、などにうるさくなった昨今ではそれも一つの価値になりうると思うし
さらには漁師直送はある意味ステータス的なものにもなりうると思う。
「このカニ○○で買ってきたんだ!」
「このカニ漁師に送ってもらったんだ!」←鮮度、入手ルートのアピール?
私のように漁師と消費者であるお客様、両方の間に位置し生産からお届け、両末端とつながれ意見を聞ける立場は貴重だと思うしまた幸せだと感じる。
自分のような立場だからこそできるサービス。水揚げされる現場からお客様まで知る自分だから届けられる商品を。
今後とも精一杯やっていきたいと思います。